POP LIFE



ポップ・ライフ
135mm×188mm 水彩紙





中学1年生の頃ワーゲンに憧れた。正確にはビートルに。
多分1982年位。


当時プラモデル好きだったのもあり
本当はワーゲンの水陸両用車が欲しかったが、
「これを乗用車にするのは無理だろう」という事は
中学生の頭でも分かったので、100歩譲ってビートル。
この頃の鳥山明の描くビートルが、自分のイメージの中では最高峰だった。


大滝詠一のLPジャケットのような場所をオレンジのビートルでドライブ。何てスバラシイ。
沖縄だから背景はバッチリ。あとは車さえあればOK。



そして時は流れ、そんな夢も忘れかけていた19歳位の頃、
幼馴染みの友人が緑のビートルを手に入れた。
当然オンボロで今にも止まりそう。だがそこがまたいい。


この友人はバイクやジェットスキーが好きで、夏場はほぼ毎日海に行く為
車内はいつも砂まみれ。CDもFMも聞けない。
グリーンの塗装もあちこちサビだらけで、多分100画素くらいの
デジカメで撮ったら、カナブンと見分けがつかない。

更に恐ろしい事に、この頃の左ハンドルのビートルは
エンジンヒーターはあるがクーラーが無かった。
沖縄でクーラーが無いのは、夏のビーチで真昼間に
キャンベルスープを一気飲みするくらいキツい。


まあ、それでも人の車だし、文句は言えないし、オンボロとはいえ昔憧れのビートル。
路線バスみたいなギアをガチャガチャやって、道の真ん中でエンストしながらも、音割れするスピーカーでトーンロックのWILD THINGのカセットをガンガンにかけながら楽しんでいた。


この時にビートルに乗る夢は半分叶い、半分はダラダラ流れる汗と
「やっぱりクーラーのある車がいい」という思いと共に流れて消えた。



この絵は、最近1人でプチ野宿に行った時にビートルを見かけ
懐かしい80年代の香りを思い出し、夜の砂浜で描いていたもの。





(2008年)

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