「星」



星
257mm×182mm 月桃紙





小学生のころ天文学者になりたかった。
小4の時に、1年くらい新聞配達をしてお金を貯め、天体望遠鏡を買った。
もっともっと宇宙について知りたかった。


念願の天体望遠鏡を手に入れてからは、毎日せっせと望遠鏡を担いで、隣の家の屋上を借りて、夜中まで星を眺めていた。
初めて土星の輪や月のクレーターを自分の目で見た時の興奮は今でも覚えている。



大きくなるにつれ夢は変わっていったが、絵を描き始めてから気づいた事がある。

自分がもしも一生懸命勉強をして天文学者になっていたら、きっと机上の空論だと思いながらも、毎日計算と理論で「宇宙の目に見える部分」だけを追い求めていたのかもしれない。
それよりはきっと、今の方が本当の意味で宇宙を感じ取れているんじゃないか、と。


そう気づいた時、あの頃の自分の「宇宙を知りたい」という強い願いは正しく叶っているんじゃないか?そう思えた。



この絵を書き終えた時、久しぶりに本棚の奥から擦り切れた古い宇宙図鑑をとって眺めてみた。

本の背表紙には
【4年1組 がなは☆かずふみ】
と、やけに☆マークが大きくバランスの悪い汚い字で、でもとっても情熱的に書かれていた。

タイムスリップして自分の頭を撫でてやりたくなった。
「そう、それでいいんだよ」と笑いかけながら。





(2004年)


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